ホワイトニング

神経が死んだ歯でもホワイトニングできる?

 

神経が死んだ歯でもホワイトニングできる?

 

歯医者で受けるホワイトニングは、神経が生きている歯(=生活歯)でなければ白くできない、という話を聞いたことはありますか?実際、虫歯やケガなどで神経が死んでしまった歯の変色は、セラミック製の被せ物を装着するなど、別の方法で改善することが多いです。

 

ただ、ホワイトニングの中にも神経が死んだ歯(=失活歯)に効果がある施術方法が存在しています。ここでは、そんな失活歯に対する特殊なホワイトニングの方法についてわかりやすく解説します。

 

標準的なホワイトニングは「生活歯」が対象

 

標準的なホワイトニングは「生活歯」が対象

 

歯医者で受けることができる「オフィスホワイトニング」や「ホームホワイトニング」、あるいはサロンなどで自分で行う「セルフホワイトニング」は、原則として神経が生きている歯が対象となりますが、そもそも、なぜ神経が死ぬとホワイトニング効果が得られないのでしょうか。

 

歯の変色の原因が違う

 

生活歯の着色は歯の外側に原因がある

生活歯と失活歯では、歯の変色の原因が根本的に異なっています。神経が生きている歯の黄ばみや黒ずみは、加齢や食習慣、喫煙習慣などが主な原因です。こうした歯は外側から着色性の物質が沈着しているので、同じように外側から薬剤を作用させるホワイトニングで、汚れを取り除く効果が期待できます。

 

失活歯の変色は歯の内側に原因がある

一方、神経が死んだ歯の黒ずみは、歯の内側に原因があります。具体的には、死んだ神経や血管が分解され、歯の内側の象牙質の小さなすき間に入り込んでいった結果、歯全体が黒ずんで見えるようになるのです。これを外側から作用させるオフィスホワイトニングやホームホワイトニング、セルフホワイトニングで取り除こうとしても無理がありますよね。

 

失活歯以外でホワイトニングできない歯

 

  • 薬剤による変色(テトラサイクリン歯)
  • 虫歯によるエナメル質形成不全(ターナー歯)

 

標準的なホワイトニングの対象外となるのは、神経が死んだ歯だけではありません。歯の作られる時期に「テトラサイクリン」と呼ばれる抗菌薬を服用していると、象牙質のカルシウムと黄色味を帯びたテトラサイクリンが結びついて歯が変色します。これを専門的には「テトラサイクリン歯」と呼び、現在では歯の審美性を大きく害する異常として広く知られています。

 

その他、乳歯の虫歯を重症化させることで生じる永久歯のエナメル質形成不全も歯の変色を招く原因となりやすいです。いずれも外側からの色素の沈着が直接的な原因ではないため、一般のホワイトニングで改善することは不可能です。

 

「失活歯」もホワイトニングできる方法がある

 

「失活歯」もホワイトニングできる方法がある

 

神経が死んでしまった歯でも、ホワイトニングする方法はあります。それは「インターナルブリーチ」と呼ばれる施術法で、その名の通り歯の内側から漂白剤を作用させます。

 

失活歯のホワイトニングの種類

 

失活歯に効果があるインターナルブリーチには、大きく2つの方法があります。

 

歯医者にいる時だけ薬剤を入れる方法

1つは、歯科医院にいる時だけホワイトニング剤を作用させる方法です。歯科医師の監督下で行われる処置法なので、トラブルも起こりにくいです。

 

ホワイトニング剤を入れたまま生活する方法

もう1つはホワイトニング剤を歯の中に入れた状態で生活する方法で、「ウォーキングブリーチ」という名前で呼ばれています。ホワイトニング剤を長時間作用させることから、変色を改善する効果も比較的高いです。薬剤は1週間ごとに交換します。

 

どちらが優れたホワイトニング方法?

 

これら2つのホワイトニング方法には、それぞれ一長一短があり、どちらかが絶対的に優れているとは言い切れません。また、いずれの方法も対応しているという歯科医院ばかりではないので、そもそも選択できないことも多々あります。ここではあくまで、インターナルブリーチには2つの方法があるということだけを知っておいてください。

 

失活歯の変色をホワイトニング以外で白くする方法

 

重症度の高い失活歯の変色は、インターナルブリーチで改善できないこともあります。そうしたケースでは、次に挙げるような方法がとられます。

 

ラミネートベニア

 

ラミネートベニアとは、歯の表面のエナメル質を一層削って、セラミック製のチップを貼り付ける方法です。重度の着色や変色も大きく改善できます。

 

セラミッククラウン

 

セラミック製の被せ物を装着することでも重度の歯の変色は改善できます。歯を大きく削ることにはなりますが、色調以外にも歯の形や大きさ、ちょっとした歯並びの乱れまで調整可能です。

 

標準的なホワイトニングでも効果がある?

 

実は、死んだ歯でも外側からの色素沈着が原因であれば、通常のクリーニング、ホワイトニングで黄ばみを改善することができます。もちろん、神経の失活による黒ずみは改善できませんが、見た目を少しだけ良くすることは可能です。

 

歯の神経を残すことの大切さ

 

歯の着色や変色を改善する上で、歯の神経の生死はとても重要なポイントとなります。ですから、口元の審美性を維持させたい、もっと良くしたいという方は、まずは歯を健康に保つことに専念しましょう。歯が健康であれば、それを美しくする方法の選択肢も大きく広がります。

 

まとめ

 

このように、神経が死んでしまった歯の変色は、通常のホワイトニングで改善することはできませんが、インターナルブリーチやセラミック治療を受けることで、審美障害を解消できます。ですから、失活歯だからといって始めから諦めずに、ご自身にとって最善と考えられる方法を模索することが大切だといえます。

医療法人社団ハーツデンタルクリニック 院長(歯科医師、歯学博士)監修
永橋克史
監修者 歯科医師 永橋克史
ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前
高田耕司
監修者 歯学博士 高田耕司
日本歯科麻酔学会認定医、歯学博士。麻酔での無痛治療を得意としている。
ハーツデンタルクリニック八千代中央駅前
加瀬武士
監修者 歯学博士 加瀬武士
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前の院長。日本大学歯学部歯学科卒業。補綴学を専門分野としている。
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前


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