口腔外科

口は歯だけでなく、歯を支えている顎の骨や舌、歯肉、頬粘膜などで構成されています。それらの組織、粘膜の異常を外科的に診断・処置するのが、口腔外科になります。口もカラダの一部。ゲストの健康状態を第一に考え、全身の症状を考慮しながら、問題があれば適切な医療機関を御紹介することもあります。
口腔外科

口腔外科の治療

  • 顎関節症の治療(咬合チェック、マウスピース等)
  • お口の中のガン
  • 親知らずの抜歯
  • 口の中の腫れ・できもの
  • 皮膚病(口の中が原因)
  • あごの骨折
  • 歯の外傷

 

口腔外科の一般的な処置内容

口腔外科の一般的な処置内容

1. 親知らずの消炎・抜歯処置

当院では、親知らずの抜歯に関して、定期的な洗浄、対応策を十分にご説明した後に、処置いたします。ゲスト個々で親知らずの状況は様々です。親知らずにお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

2. 顎関節症(あごの違和感、痛み)

当院では、顎関節を詳細に診断するレントゲン撮影を行い、関節の状況、処置方針をご説明します。一般的には、マウスピースを用いた治療を行いますが、一過性の痛みの場合は鎮痛薬の服用で治まる場合もあります。

3. 粘膜疾患

お口の中はいろいろな細菌でいっぱいです。口内炎~癌まで、粘膜はいろいろな症状を示します。初期のサインを見逃さずに、適切な処置をすることが重要になります。

 

口腔がんについて

口腔がんとは?

口腔がんは、口腔内に発生するがん(悪性腫瘍)を指します。主な発生部位には舌、頬粘膜、硬口蓋、歯茎、口唇、口腔底などがあり、それぞれ異なる症状が見られます。日本においては、男性が女性の約2倍の発症リスクを持ち、特に60代から70代の男性での発症が目立ちます。ただし、全体のがんの中で口腔がんが占める割合は約1%とされています。

 

口腔がんの原因

口腔がんの原因としては、喫煙、飲酒、口腔衛生の不良、慢性的な機械的刺激、口腔乾燥症などが挙げられます。中でも喫煙は大きなリスク因子であり、タバコの煙に含まれる複数の発がん性物質により、非喫煙者と比較して喫煙者の発症リスクは約5倍に達するとされています。

 

口腔がんの症状

初期の口腔がんでは、口腔内に硬いしこりや白色または赤色の病変が見られることがあります。また、治りにくい口内炎や潰瘍、口腔粘膜の腫れによる入れ歯の不適合などが現れることもあります。これらの症状が3週間以上続く場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。

 

口腔がんの治療法

口腔がんの治療は、手術、抗がん剤治療、放射線療法を組み合わせて行うことが一般的です。早期発見と治療が予後に大きく影響するため、定期的な検診が重要です。

 

顎関節症の治療法

顎関節症の治療法

顎関節症の治療は、まず非ステロイド系消炎鎮痛薬を用いて痛みを緩和することから始めます。これにより、日常生活への支障を軽減することが期待されます。

筋肉の緊張が関与する症状に対しては、ストレッチやマッサージが有効です。特に、顎の筋肉を柔軟に保つためのストレッチや、適切なマッサージ技術によって筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減することが可能です。また、慢性的な筋肉痛や神経の過敏が原因の場合には、三環系抗うつ薬の使用が選択肢となることがあります。これにより、痛みの感受性を調整し、快適な日常生活をサポートします。

さらに、歯ぎしりや食いしばりが症状を悪化させる場合には、スプリントと呼ばれるマウスピース型の装置を用いることが推奨されます。この装置を就寝時に装着することで、顎関節や筋肉への負担を軽減し、症状の緩和が期待されます。また、筋肉の緊張を抑える目的でボトックス注射を検討する場合もあります。

 

歯肉移植手術の効果

 

口腔外科で行われる歯肉移植術には、遊離歯肉移植術(FGG)と結合組織移植術(CTG)の2種類があります。

 

遊離歯肉移植術(FGG)の特徴

遊離歯肉移植術は、歯茎が後退している場合に適用されます。この方法では、患者様自身の口蓋から歯茎組織を採取し、後退した部位に移植します。

 

結合組織移植術(CTG)の特徴

結合組織移植術は、歯茎の厚みを増やすとともに、自然な見た目を重視する場合に選ばれる方法です。他の部位から結合組織を採取し、目的の部位に移植することで、審美的にも優れた結果が得られます。

 

歯肉移植術による効果

いずれの手術も、歯茎の後退を防ぎ、歯の根を保護することで歯周病のリスクを軽減します。遊離歯肉移植術は特に歯茎の厚みを増す点で効果的ですが、見た目に多少の制約があることがあります。一方、結合組織移植術は審美的な仕上がりが期待でき、自然な見た目を実現します。ただし、どちらの方法も正確な診断と計画に基づいて実施されることが重要です。

歯茎の健康を守り、美しい笑顔を取り戻すためには、歯科医師との十分な相談のもと、適切な治療法を選ぶことが大切です。

 

口内炎の治療法

口内炎の治療法

口内炎は、口腔内の粘膜に炎症が起こることで生じる症状で、日常生活に支障をきたす場合があります。一般的に自然治癒が期待されるものの、繰り返し発生したり症状が慢性化した場合は、口腔外科での治療が必要になることがあります。

 

1. 詳細な診断と適切な治療選択

治療を行う前に、口内炎の種類、原因、広がり、重症度をしっかりと診断します。その結果に基づき、患者様一人ひとりに適した治療法を提案します。主な選択肢として以下があります。

 

2. 薬物療法

薬物療法では、炎症を抑え、痛みを軽減する薬剤を使用します。ステロイド系の軟膏や洗浄液が処方されることが多く、これにより症状を改善し、再発を予防します。

 

3. レーザー治療

レーザー治療は、低出力のレーザーを用いて炎症を緩和し、細胞修復を促す方法です。この治療は短時間で終了し、痛みの軽減が早いのが特長です。副作用が少ないため、幅広い患者様に適用されています。

 

4. 外科的処置

重症の場合や他の方法で改善しない場合には、外科的な治療が必要です。これは炎症部位の切除や粘膜の再配置を含み、最終的な手段として行われます。

 

歯周病手術の種類

歯周病手術の種類

歯周病に対する手術治療は、患者様の歯周組織の状態や歯周ポケットの深さなどを考慮して行われます。以下に、主な手術方法を説明します。

 

組織付着療法

組織付着療法では、歯周ポケット内の細菌や汚れを取り除き、歯茎を歯根に再付着させます。この治療により、歯周ポケットを浅くし、細菌の管理が容易になります。

 

切除療法

切除療法では、病変した歯周組織を取り除き、ポケットを浅くすることを目的とします。この方法には、歯肉切除やフラップ手術などが含まれます。

 

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、失われた組織を再生させる治療です。骨移植術や歯周組織再生誘導法(GTR)、さらには再生因子を用いた治療法が行われます。

 

歯周形成手術

歯周形成手術では、歯茎や粘膜の形態を整え、清掃しやすい環境を作ります。小帯切除術や遊離歯肉移植術などが代表的な方法です。

 

歯根端切除術のリスクとその予防策

 

歯根端切除術は、根尖部分の炎症や感染を取り除き、歯を保存するための手術です。しかし、以下のリスクが伴うことがあります。

 

歯根端切除術に伴うリスク

感染リスク: 手術部位に感染が発生する可能性。

神経損傷: 手術部位が神経近くにある場合、感覚の消失や麻痺を引き起こす可能性。

歯の損傷: 周囲の歯に影響を及ぼすリスク。

 

リスクを予防するための対策

経験豊富な歯科医師に相談する: 専門知識を持つ医師が治療を行うことで、リスクを軽減できます。 適切な設備を持つクリニックを選ぶ: 最新の設備を備えた施設での治療は、精度を高め、リスクを抑えます。 治療後のケアを徹底する: 歯科医師の指導に従ったアフターケアで、感染や合併症を防ぐことが可能です。

 

口腔外科治療の費用と保険適用

 

口腔外科治療の費用は治療内容により異なり、保険適用の可否も治療の性質によって変わります。

 

治療費について

治療費は、使用する材料、治療の複雑さ、設備の規模などによって異なります。一般的な抜歯は低コストですが、インプラントや高度な外科治療では費用が高額になる傾向があります。

 

保険適用の条件

日本の健康保険では、生活に必要な治療が対象となります。例えば、虫歯治療や抜歯などが該当します。一方、審美目的の治療や一部のインプラント治療は保険適用外となるため、費用負担が発生します。治療を受ける前に、詳細を歯科医師に確認することをおすすめします。