日本人の平均残存歯数

アメリカやヨーロッパの人たちに比べて、日本人は残存歯数が少ない、というお話をご存知でしょうか。多くの動物は、歯が無くなると死んでしまいます。これは、人間にも当てはまること。年を取っても、元気な方の共通点。それは、歯が健康であるということです。欧米では歯の定期クリーニングを行うことは一般的で、歯の大切さを子どもの頃から認識しています。その結果、グラフのような違いが表れてくるのです。日本人の多くの人が見落としがちな「歯の大切さ」。歯を失くしてから、後悔してしまう人が減りますように。ハーツデンタルクリニックでは、定期クリーニングをオススメしています。
平均残存歯数の比較グラフ

定期的なクリーニングは、歯周病の予防や進行の抑制に非常に効果が高いことが学会でも認知されています。グラフをご覧ください。ブラッシングを自分なりにしっかりして、治療もきちんと受けていても、80歳の時点で歯の数はやはりわずかに6~7本しか残っていません。ところが、きちんと最新の予防プログラムを受けた人は80歳でも約16本残っています。ゲストの歯の残存数を増やすこと。それが、私たちハーツデンタルクリニックの使命のひとつです。

 

なぜクリーニングが必要なのか

 

なぜクリーニングが必要なのか

 

私たちの歯の表面には、バイオフィルム・歯垢・歯石・ステインといった汚れが付着します。このうち歯ブラシによるブラッシングで落とせるのは歯垢とステインの一部だけで、バイオフィルムと歯石はプロフェッショナルケアでなければ、確実に除去することができないのです。

バイオフィルムは、歯面に形成される被膜で、肉眼で確認することはできませんが、その名の通り細菌で構成されていることから、歯の健康において有害です。バイオフィルムで繁殖した細菌が歯垢を形成し、病原性を強めていくからです。

歯垢が石灰化を受けて石のように硬くなった歯石は、細菌の堅固な足場となるため、ある意味でバイオフィルムや歯垢よりも有害といえるでしょう。これらを歯科医院のクリーニングで定期的に取り除くことができれば、虫歯や歯周病リスクも大きく下げられます。ステインに関しては、直接的な病原性はないものの、歯の美しさを低下させるので、PMTCできれいに取り除いた方が良いと言えます。

ちなみに、タバコのヤニによる黄ばみ(ステイン)には、PMTCが大きな効果を発揮します。

 

むし歯の予防・歯のクリーニングについて

むし歯の予防

むし歯は、自然に治ることがなく、放置していると着実に進行していく病気なので、予防するに越したことはありません。その際、重要となるのがセルフケアです。毎日の歯磨きを徹底することはもちろん、むし歯になりにくい生活習慣を身に付けることで、むし歯予防効果を最大化できます。

歯科医院でのクリーニングやスケーリングで得られる予防効果はあくまで一時的なものであるため、セルフケアでしっかりと補完することが重要なのです。正しいセルフケアの方法は、定期検診でのブラッシング指導で身に付けましょう。むし歯になりにくい生活習慣についても、定期検診・メンテナンスで学ぶことができます。

「毎日、歯磨きしているのに、なぜ、むし歯ができるんだろう?」と思ったことはありませんか。以前はむし歯の原因といえば、歯質・むし歯菌・砂糖などの条件がそろうと発症する、というものが定説でした。

最近では、より詳しいメカニズムが分かり、予防法も確立されてきています。ただ一生懸命磨くだけでは、予防しきれないむし歯。だからこそ、ご自身の身体全体の健康を守るためにも、お口の健康を保つために定期健診に通うことが重要になります。

 

自費のクリーニングと保険診療の違い

自費のクリーニングでは、歯の清掃だけにすべての診療時間を割くことができます。例えば、診療の予約枠を60分で取っている場合は、その時間のすべてを歯のクリーニングに費やすことができるのです。また、微細なアミノ酸粒子を高圧で吹き付けるパウダージェットのような先進の医療機器も自費のクリーニングでなければ使用できません

一方、一般検診は「検診」という名前が付いている通り、歯のクリーニングがメインではありません。はじめにむし歯や歯周病の検査を行い、異常がないかを調べます。その後、歯磨きの状態を調べた上で比較的簡便なクリーニングを実施します。そのため歯の汚れを落とすという観点からは、自費のクリーニングに劣ると言わざるをえません。

 

保険のクリーニング

健康保険でのクリーニングは、むし歯や歯周病の治療を目的として行います。 歯周病の原因の一つである歯石の除去、除去後の研磨、状態の説明・指導までがその内容となっています。 保険制度上、歯石を取るためには、まず歯や歯ぐきの検査を行う必要があります。歯石や着色の除去も通常の方法で少しずつ行いますので、1回で口の中全体をきれいにするはできません。

内容 費用
1回あたり:30~60分、1~2回 2500円前後(3割負担の場合)

自費のクリーニング(プロフェッショナルクリーニング/PMTC)

自費のクリーニング(プロフェッショナルクリーニング/PMTC)は、むし歯や歯周病、口臭の予防、審美性の改善を目的とした歯のクリーニングです。 短時間 で効果的かつ快適に汚れを取ること目指したクリーニングコースで、通常1回で口腔内をきれいにすることができます。

お口の状態に合わせて最適な器具や方法 を用いるので、歯を効率良くクリーニングすることができます。

内容 費用(税込)
スペシャルトリートメント/60分 11,000円
スペシャルトリートメント/90分 16,500円

プロによる歯のクリーニング(PMTC)

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning=プロフェッショナル・ メカニカル・トゥース・クリーニング)とは、歯科によって、専用の機械を用いて行われるプラークコントロール法です。歯周病やむし歯の予防はもちろん、歯を白くする効果や歯周病やむし歯のリスクを減らすことができます。

歯周病やむし歯を引き起こす元凶である、プラーク(歯垢)。このプラークを取り除くには、毎日の丁寧なブラッシングが必要ですが、実は完ぺきにするのは難しいもの。
歯周病やむし歯を引き起こす元凶

 

PMTC について

PMTCは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略称で、日本語では専門家による機械的な歯の清掃と訳されます。この“機械”というのは、電動のブラシやパウダージェットなどを指します。電動のブラシは普段、歯を削る時に使っているハンドピースに、ブラシやラバーカップを装着して使うもので、歯面の汚れを効率よく取り除いたり、研磨したりする際に有用です。アミノ酸の微粒子を高圧で吹き付けるパウダージェットは、タバコのヤニやコーヒーの茶渋などを取り除く際に大きな効果を発揮します。

 

スウェーデンで誕生したPMTC

PMTCは、口腔ケアの先進国であるスウェーデンで誕生したことをご存知でしょうか?今ではむし歯や歯周病予防で有名になったスウェーデンもかつては「むし歯大国」と呼ばれるほど、国民のむし歯が多かったのですが、その点に危機感を抱いたペール・アクセルソン博士がPMTCを考案しました。当時開業医をしていたアクセルソン博士は、むし歯や歯周病は特定の部位に集中して発症しやすいことに着目して、そこ集中的にクリーニングすれば、それらの病気を予防しやすくなるのではないか?という仮説を立てたのです。その中で確立したPMTCという方法が現在の予防の礎となりました。

歯ブラシが届きにくいところに、プラークが残ってしまうことが多いのです。それをきれいに取り除いてくれるのが“PMTC”。所要時間は30分~1時間程度。痛みは全くないので安心して受けられます。

PMTC

こんな方にオススメ

  • タバコを吸っていて、ヤニが気になる方
  • 歯石がつきやすい、または歯が汚れやすい方
  • 歯ぐきが腫れたり、出血のある方
  • 入れ歯やインプラントのお世話にはなりたくない方
  • 歯ぐきが痩せて、歯が長くなったと言われた、または、ご自身で自覚のある方
  • 歯周病やむし歯の予防をしたい方
  • 何歳になっても自分の歯で食事を楽しみたい方

PMTCの効果

 

バイオフィルムの破壊

※ミュータンス菌などの細菌が集合体を作り、歯の表面に形成された膜をバイオフィルムといいます。

  1. 菌の菌力を弱める→むし歯になりにくい口腔になる。
  2. 歯周病・歯肉炎の予防。きれいな歯を保つ、口臭の予防。

 

予防やクリーニングすると生涯医療費や時間コストを最小化できる

 

予防やクリーニングすると生涯医療費や時間コストを最小化できる

 

医療費の負担が年々、高まる中、むし歯や歯周病になっていないのに歯科を受診するのはコストパフォーマンスが悪い。そうした考えは、日本人特有といっても間違いではないでしょう。なぜなら欧米では、むし歯や歯周病を予防するために歯科へ通った方が、生涯医療費や時間的なコストを最小化できることが常識となっているからです。

例えば、むし歯になってから歯科を受診した場合を考えてみましょう。そのむし歯がある程度、進行している場合は、数回の通院が必要になるだけでなく、詰め物や被せ物を作らなければなりません。重症例では歯を失うことにもなりかねないのです。その時かかる費用は数万円から数十万円、時間的なコストも計り知れなくなります。

一方、3~4ヵ月に1回の定期検診・メンテナンスを受けている人は、むし歯や歯周病にかかるリスクが極めて低くなります。仮にお口の病気を発症したとしても、早期発見・早期治療が可能となるため、治療にかかる費用や時間を最小限に抑えられます。何よりもむし歯や歯周病で歯を失うリスクが低減されるため、さまざまな面でのコストを大幅に下げられるのです。これが予防やクリーニングの効果です。