歯みがき

歯のブラッシングの正しい方法とは?歯科医師が解説

 

歯のブラッシングの正しい方法とは?歯科医師が解説

 

歯のブラッシング方法について、基本から応用、代表的なブラッシング技法にいたるまでを、歯科医師の視点からわかりやすく解説します。

 

歯の着色や口臭、虫歯や歯周病を予防する上で最も重要なのは「歯磨き」です。歯ブラシを使ってブラッシングするのは誰にでもできますが、正しく行えているかはまた別の話です。この記事を読めば、自分の歯に合った正しいブラッシング方法が見つかるでしょう。

 

歯のブラッシング方法【基本編】

 

歯のブラッシング方法【基本編】

 

まずは、基本となる歯ブラシの持ち方や動かし方などについて解説します。

 

歯ブラシの持ち方

 

歯ブラシは、普段皆さんが鉛筆やボールペンを握っている「ペングリップ」という方法で持つのがよいでしょう。ペングリップだと過剰な力がかからないため、歯を傷付けるリスクが減ります。同時に、繊細な動きが可能となります。

 

歯ブラシの毛先の当て方

 

歯ブラシの毛先は、歯の面に当てるようにしてください。歯の平らな部分の「平滑面(へいかつめん)」に、毛先を90度の方向から当てるのが基本となります。無意味に大きく角度をつけると、清掃性が低くなるので要注意です。

 

ブラッシング圧

 

歯ブラシの毛先を歯面に当てるときの圧力は、150~200gが適切です。具体的には、歯ブラシを歯面に当てたときに毛先が広がらない程度の力でブラッシングしてください。

 

毛先が広がるほど強く押し付けてしまうと、歯ブラシの本来の機能が発揮されなくなるとともに、歯を傷付けることにもなります。

 

歯ブラシの動かし方

 

歯ブラシの動かし方にはいろいろな方法がありますが、基本は「5~10mmの幅を小刻みに動かす」方法だと考えてよいでしょう。つまり、1回でブラッシングする部位は、1~2本の歯に限定されます。この基本をしっかりと実践できている人は意外に少ないようです。

 

歯のブラッシング方法【応用編】

 

歯のブラッシング方法【応用編】

 

ここからは、歯のブラッシング方法の応用編です。歯の部分ごとに適切なブラッシング方法は変わってきます。

 

デコボコしている歯並びのブラッシング方法

 

歯並びがデコボコとしている場合は、前述した基本的なブラッシング方法だけでは十分に汚れを取れません。そこで、歯並びが入り組んでいる部分に歯ブラシを縦に入れてブラッシングするようにしてください。軽い力で細かく振動させる点は、基本と同じです。歯並びのデコボコ具合は人によって異なるため、歯ブラシを入れる角度は、自分で調整するようにしましょう。

 

歯と歯茎の境目のブラッシング方法

 

歯と歯茎の境目は、歯ブラシを歯面に対して45度に傾けてブラッシングをします。そうすることで歯周ポケット内の汚れも除去しやすくなります。その際、歯ブラシを振動させる幅は5mm程度にとどめてください。やわらかい組織である歯茎に接する部分なので、平らな部分を磨くときよりも繊細に、やさしくブラッシングする必要があるからです。

 

適度な力でブラッシングすれば、歯茎のマッサージとなり、歯周病の予防にもつながります。

 

下の前歯のブラッシング方法

 

下の前歯は、通常の方法では汚れを落としにくい部分です。そこで、ぜひとも試していただきたいのが「歯ブラシのかかと」を使う方法です。歯ブラシを縦にして、かかとの部分で下の前歯の汚れをかき出すようにブラッシングすれば、効率よく清掃できます。

 

下の前歯に歯垢や歯石がたまりやすい方は、この方法でブラッシングしましょう。

 

歯のブラッシングの注意点

 

歯のブラッシングのテクニックを身につけることは大切ですが、実は、それだけでは高い効果は得られません。そこで重要となるのが以下の2点です。

 

歯垢のつきやすいところを知る

 

私たちの歯列には、歯垢であるプラークがつきやすいところとつきにくいところがあります。当然ですが、歯の平らな部分は唾液によって流されたりするため汚れがつきにくいところです。一方、歯と歯の間や歯と歯茎の境目は、溝のような形になっているので、汚れがつきやすいところです。そのほか、歯並びがデコボコしている部分などもプラークや歯石の形成が目立ちますので、ブラッシングの際には念入りに磨くようにしましょう。

 

セルフケアでの除去が難しい場合は、歯科医院でクリーニングやスケーリング(歯石除去)を受けることをおすすめします。

 

歯のブラッシングは歯垢を取ることが目的

 

歯磨きは、「歯を磨くこと」が目的ではありません。考え事などをしながら歯磨きをしていると、機械的にブラッシングをするようになり、つい、ブラッシングの基本を忘れてしまいます。

 

歯ブラシを2~3cmの幅でゴシゴシと動かし、1分程度で歯磨きを終えてしまう人がその典型だといえます。そこで、歯のブラッシングをするときに、あらためて意識していただきたいのが「歯垢を取る」という歯磨きの本来の目的です。歯垢を取るといった目的を念頭に置いたならば、自ずとブラッシングも丁寧になります。結果、歯垢や歯石のない清潔な口内環境を築くことができるでしょう。

 

代表的なブラッシング技法とは?

 

最後に、専門的なブラッシング技法について解説します。ブラッシングの基本から応用までしっかり身についてから試してみるとよいでしょう。

 

スクラッピング法

 

スクラッピング法とは、歯ブラシの毛先を歯面に対し直角(90度)に当ててブラッシングをする方法です。1~2本の歯を10往復するくらいブラッシングをします。これは、今回の記事でご紹介した基本となるブラッシング方法で、歯科医院の診療でも推奨されることが多い方法です。

 

  • 長所:動かしやすく清掃効果も高い
  • 短所:一度に磨ける範囲が狭い

 

ローリング法

 

ローリング法とは、その名の通り歯ブラシを“回転”させる方法です。まずは、歯の根元に毛先を当て、そこから歯の先端に向かって歯ブラシを回転させてください。スナップを効かせて、プラークなど弾き飛ばすようなイメージですね。回転による遠心力で汚れを効率よく除去できます。

 

  • 長所:動かしやすい
  • 短所:歯と歯茎の境目の汚れを落としにくい

 

フォーンズ法

 

フォーンズ法も歯ブラシを回転させる方法ですが、ローリング法とは方向に違いがあります。フォーンズ法の場合は、毛先を歯面に対して90度に当て、弧を描くようにブラッシングします。つまり、スナップを効かせないのでブラッシングの範囲は1歯にとどまらず、2~3歯に広がります。

 

細かい動きが苦手な乳幼児に推奨される歯磨きの方法です。

 

  • 長所:歯磨きが短時間で終わる
  • 短所:磨き残しが多くなりがち

 

バス法

 

バス法とは、歯と歯茎の境目に対して、毛先を45度の方向から挿入するブラッシング法です。歯ブラシの動かし方はスクラッピング法と同じです。

 

  • 長所:歯周ポケットのプラークも除去できる
  • 短所:歯茎を傷つけるおそれがある

 

これらはあくまで歯科的な分類であり、ブラッシング法の名称まで細かく覚える必要はありません。また、年齢や歯の状態によって最適といえるブラッシング方法は変わってくるので、気になる方は歯科衛生士のブラッシング指導を受けることをおすすめします。その上で、ご自身の歯に合ったブラッシング方法を見つけましょう。

 

まとめ

 

このように、歯のブラッシング方法はとても奥深いものです。正しい歯のブラッシング方法を身につけることができれば、汚れの除去効果も格段に上昇し、虫歯や歯周病、歯の着色などに悩まされにくくなります。この記事を参考にして、ぜひ、ご自身の歯に合ったブラッシング方法を身につけてください。

医療法人社団ハーツデンタルクリニック 院長(歯科医師、歯学博士)監修
永橋克史
監修者 歯科医師 永橋克史
ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前
高田耕司
監修者 歯学博士 高田耕司
日本歯科麻酔学会認定医、歯学博士。麻酔での無痛治療を得意としている。
ハーツデンタルクリニック八千代中央駅前
加瀬武士
監修者 歯学博士 加瀬武士
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前の院長。日本大学歯学部歯学科卒業。補綴学を専門分野としている。
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前


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