親知らずの抜歯やインプラント手術など、歯科治療における大掛かりな処置を施す場合には、患者さんに強い緊張や不安、それから恐怖といったものを引き起こさせることがあります。そうした緊張や不安というのは、時に大きな事故のきっかけとなるため、できるだけ緩和することが望ましいです。
そんな時活用されるのが静脈内鎮静法です。ここでは、静脈内鎮静法の費用や保険適用の有無などについて詳しく解説します。
静脈内鎮静法は保険適用されるかどうか
静脈内鎮静法では、専用の器材や薬剤を使用し、歯科麻酔科医の力を借りることもあるため、それなりに費用がかさみそうですよね。
そこで気になるのが保険適用の有無です。静脈内鎮静法というのは、歯科処置を施す上で必要と判断されれば、保険が適用されます。ですから本来の費用の3割を負担すれば良いことになります。
静脈内鎮静法の費用について
静脈内鎮静法は、保険が適用されると2500円~3000円程度の出費ですみます。つまり、自費診療では50000円前後の処置といえます。一般的な歯科処置の費用と比べると、いささか高いように思えますが、静脈内鎮静法は歯科治療中ずっと、患者さんのバイタルなどを観察しながら薬剤を投与し続ける処置ですので、それなりに労力もかかります。
また、歯科麻酔科医という、麻酔の専門家が立ち会うことも多いため、2500円~3000円というのはそれほど高いものではないといえるでしょう。
保険適用の基準について
歯科治療の静脈内鎮静法で保険が適用されるかどうかは、基準が明瞭です。それは歯科治療恐怖症や異常絞扼反射といった病名がつけられるかどうかです。
歯科治療恐怖症というのは、歯医者で治療を受ける際に、恐怖心や不安が高まってしまう病態で、れっきとした病気として捉えられています。こうした病気のある患者さんは、通常の虫歯治療はもちろんのこと、歯茎の切開や骨の切除などを伴う親知らずの抜歯、それからインプラント手術などを受ける際には、大きな危険が予想されます。
もしも処置中に恐怖で頭が混乱したり、異常絞扼反射で激しい嘔吐反射が起こったりした場合は、口腔内を傷つけてしまう事態も考えられるのです。そうした医療事故を防ぐためにも、静脈内鎮静法が必要になります。
ただ、歯科治療恐怖症や異常絞扼反射がない場合で、リラックスした状態で歯科治療を受けたいという患者さんは、静脈内鎮静法が保険適用されませんのでご注意ください。
静脈内鎮静法の効果について
静脈内鎮静法が保険適用される条件は、歯科治療恐怖症や異常絞扼反射といった具体的な病気を抱えている場合です。では、静脈内鎮静法を行った場合、こうした病気に対してどのような効果が期待できるのでしょうか。
意識が半分ないような状態になる
静脈内鎮静法は、歯科治療や手術が行われる数十分前に施されます。点滴で使う器具を使って、鎮静剤を少しずつ血管内に流していきます。
ですので、患者さんは気づくと半分眠ったような意識状態になり、しっかりと目が覚めるころには歯科治療が終わっているのです。
歯科治療への恐怖が生じる原因
歯科治療恐怖症の人は、診療室内に立ち込める消毒液などの臭いに恐怖を感じることがあります。それから歯を削る音などにも恐怖心を煽られることでしょう。こうした恐怖心を喚起する要素は、静脈内鎮静法によって精神を鎮静させることで知覚しなくなります。
なぜなら、歯を削ったり、薬液を使用したりしている最中は、半分眠ったような状態にあるからです。
嘔吐反射が起こりにくくなる
異常絞扼反射がある患者さんは、歯科治療で嘔吐反射などが生じるのを自分で抑えることは難しいです。なぜなら、嘔吐反射というのは無意識のうちに起こってしまうものだからです。
ただ、静脈内鎮静法であれば、そうした反射が起こるのを抑制できますので、処置中に反射が起こって事故につながるような事態は避けることができます。
まとめ
このように静脈内鎮静法は、歯科治療恐怖症や異常絞扼反射などの病気がある場合には、保険適用されます。費用は3割負担で1500円程度ですので、必要であれば是非利用したいものです。

ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前


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