インプラント

インプラントで失敗する主な原因とその確率とは。返金してもらえる?

 

インプラントで失敗する主な原因とその確率とは。返金してもらえる?

 

入れ歯、差し歯といった人工歯と比べ、見た目と噛む力が優れているインプラントですが、インプラントは自費治療および手術が必要のため、万が一失敗した時の影響が大きいと言えます。では、インプラントの主な失敗例と、その確率はどれくらいでしょうか。また失敗した場合返金してもらえるのでしょうか。

ここでは、インプラントで失敗する主な原因とその確率および返金の有無について説明します。

 

インプラント治療によるトラブル件数

 

インプラント治療によるトラブル件数

 

国民生活センターによると、歯科インプラント治療に関連する相談は2006 年度以降の約5 年間(2011年11 月15 日までの登録分)で2,086 件寄せられており、歯科治療に関する相談(13,060 件)の16.0%を占めていました。

その中でインプラント治療により身体的トラブルを受けたという相談は343 件(歯科インプラント治療に関連する相談の16.4%)であり、件数は増加傾向にあると言われています。

 

インプラント失敗の原因はさまざま

インプラントの失敗にはいくつか種類があります。以下に失敗の内容と、起こってしまったときの対応について説明します。

 

インプラント周囲粘膜炎

インプラントは顎の骨にチタンでできた金属(人工歯根)を埋め込みます。インプラントで人工歯根を入れた直後は、抜歯をしたときと同じように腫れや痛みがありますが、通常は数日、長くても数週間で症状はおさまります。しかし、長期間たってもインプラントをいれたところに痛みや腫れがひかず炎症が続いてしまう状態を「インプラント周囲炎」といいます。

インプラント周囲炎の主な原因はインプラント周囲の歯周病菌です。口腔内の衛生状態が悪いと歯周病菌が繁殖し、歯肉に炎症を引き起こしてしまいます。初期であれば治療は可能ですが、病気が進行し、骨の深いところまで炎症が波及していると、せっかく入れた人工歯根を除去せざるを得ない場合があります。また、稀なケースですが、どんなに口腔内がきれいでも、個人の免疫のはたらきは異なり、体質的にインプラントが合わずインプラント周囲炎になってしまう方もいらっしゃいます。

また、リウマチや心疾患のある方は、インプラント周囲炎にかかるリスクが高いといわれています。

 

被せ物が壊れる

インプラントはチタンでできた人工歯根を骨の中にうめこみ、そのうえに被せ物をたてるイメージです。被せ物の接合部はネジのような形状をしており、人工歯根のネジ穴にねじこんで固定します。咬む力が強い方の場合、被せ物が衝撃によって壊れてしまうことがあります。また、長期間使用することによる被せ物の老朽化で、被せ物が壊れてしまうこともあります。

早い段階であれば簡単な修理で済みますが、被せ物ごととれてしまった場合には作り直す必要があることもあります。

 

人工歯根が脱落してしまう

インプラント人工歯根をいれる部位の骨の量が少ない場合、自分の骨とインプラントの接着が得られず、せっかく入れたインプランが自然に抜け落ちてしまうことがあります。このケースの場合は、骨の量が足りなかったことが原因として考えられるため、骨の量を増やす治療、人工の骨を使って再手術等を行う必要があります。

 

知覚麻痺,痺れ

下顎の骨には神経が走っています。インプラント手術ではまず骨に穴をあけてインプラント人工歯根を埋め込む穴をあけますが、そのときに神経を傷つけてしまうことがあります。知覚麻痺が続く場合にはCTなど画像検査を行い、人工歯根が神経に接している場合はインプラントを除去します。

また,知覚麻痺に対する治療としてビタミンB12製剤を長期間投与、経節ブロックという治療が別に必要になることがあります。

 

インプラント失敗は基本的に返金できない

 

インプラント失敗は基本的に返金できない

 

インプラント治療は保険適用外であり、すべて自費診療で行われます。自費診療は歯科医院の院長が内容・金額をきめるため、制度として返金しなければならない規則はありません。そのため、歯科医院によって対応は分かれます。返金制度を設けている歯科医院では、条件次第では返金してもらえるかもしれませんが、まず返金できないとお考え下さい。

返金できないのは歯科医師が別に違法行為をしているわけではありません。理由は、インプラント治療は合併症を伴う可能性が避けられないからです。外科的処置をすることにより炎症が続いてしまう、神経が損傷してしまう、噛み合わせの力によって被せ物が壊れてしまう、といったことはインプラント治療に伴う合併症であり、合併症が発生するリスクを0にすることはできないのです。

インプラント治療を開始する前には、必ず合併症のリスクについて歯科医師が説明を行い、患者様が同意のサインをします。これが法律で決められているインフォームドコンセントです。インプラント治療トラブルをめぐる裁判は、ほとんどがこのインフォームドコンセントを守らなかったことによる過失です。患者様側が歯科医師を訴えて裁判を起こした場合、示談で返金、という場合もありますし、裁判をおこして勝訴となれば損害賠償を請求できます。

 

まとめ

インプラント治療による失敗(合併症)は誰にでも起こる可能性があります。治療を急かすとトラブルを起こす原因にもつながります。事前の説明をよく聞いて納得した上で、治療を開始することが大切です。

 

医療法人社団ハーツデンタルクリニック 院長(歯科医師、歯学博士)監修
永橋克史
監修者 歯科医師 永橋克史
ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前
高田耕司
監修者 歯学博士 高田耕司
日本歯科麻酔学会認定医、歯学博士。麻酔での無痛治療を得意としている。
ハーツデンタルクリニック八千代中央駅前
加瀬武士
監修者 歯学博士 加瀬武士
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前の院長。日本大学歯学部歯学科卒業。補綴学を専門分野としている。
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前


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