親知らずの虫歯治療では、処置を施す前に麻酔をかけることが珍しくありません。ただ、親知らずは前歯などとは異なり、麻酔が効きにくい傾向にあります。
そのため、親知らずの虫歯で麻酔が効かないケースでは、いくつかの対処法がとられます。ここでは、親知らずの虫歯治療で麻酔が効きにくい理由やその際、具体的にとられる措置、治療前に気を付けるべきことなどについて詳しく解説します。
親知らずは斜めに生えていることが多い
親知らずの虫歯で麻酔が効きにくい理由を考える前に、まずは親知らずが生えている状態について知っておきましょう。日本人は親知らずが真っすぐに生えていないケースがほとんどです。斜めに生えていることが多く、歯が半分埋まっていたり、歯茎の中に埋まったままのケースも珍しくはありません。
ですから、そもそも親知らずというのは、その他の歯とはかなり違った状態で口腔内に存在しているとお考えください。
虫歯治療で麻酔を効かせる場所
虫歯治療で麻酔を効かせる目的は、歯を削る際の痛みの緩和です。ですから、虫歯になっている歯の神経にきちんと届かなければ意味がありません。虫歯治療で一般的に使われるのは浸潤麻酔と呼ばれるもので、処置を施す歯の根元あたりに注射針を指して、歯の神経へと徐々に浸潤させていくこととなります。一方、親知らずは上述した通り、真っすぐ生えていないケースが多く、虫歯治療の際には麻酔も効かない傾向が強いです。
というのも、歯の根っこの方に麻酔薬を注入しようとしても、斜めに生えていたり水平に生えていたりすると、物理的に麻酔が届きにくくなるのです。これが親知らずの虫歯で麻酔が効かない主な原因といえます。
親知らずの虫歯に麻酔が効かない場合の対処法
下顎孔伝達麻酔で確実に麻酔を効かせる
親知らずの虫歯で、一般的な浸潤麻酔が効かない場合は、下顎孔伝達麻酔という方法がとられることがあります。これは麻酔を親知らずの根っこに注入するのではなく、親知らずの神経とつながっているもっと大きな神経に麻酔を作用させるというものです。具体的には、下顎孔と呼ばれる太い神経が入った穴に麻酔を効かせ、そこから親知らずの神経まで麻酔の効果を伝達させるというものです。
ただ、この伝達麻酔というのは歯科医師の熟練した技量が求められる手技ですので、どの歯科医院でも行っているというものではありません。ですので、浸潤麻酔が効かない場合は、その時点で親知らずの虫歯治療を断念することもあります。
口腔外科の歯科医師に治療を頼む
皆さんは口腔外科という診療科をご存知でしょうか。大学病院であればどこでも設置してある診療科で、民間の病院でも口腔外科を標榜している場所はそれなりに存在しています。口腔外科というのは、一般歯科では対応できないような外科処置を担っている診療科で、親知らずの治療に関してはプロフェッショナルといえます。おそらく、民間の歯科クリニックでは対処できない親知らずの難抜歯のほとんどは、大学病院等の口腔外科へと紹介されていきます。
ですから、親知らずの虫歯治療でどうしても麻酔が効かないケースでは、大学病院等の口腔外科で治療を受けるという選択肢が出てきます。口腔外科には専用のオペ室や外科処置に長けた歯科医師、歯科衛生士、もしくは看護師も常駐しているため、基本的にはどんな外科治療にも対応できるようになっています。
全身麻酔下で親知らずの治療を受けることも可能
親知らずの虫歯で麻酔が効かず、早急に治療を進めなければならない場合は、全身麻酔下で治療を実施することも可能です。抜歯の難症例では、そうした環境下で日々、外科手術が行われているが口腔外科なのです。
まとめ
親知らずはもともと、麻酔が効きにくい傾向があり、虫歯治療でも苦労をするケースが珍しくはありません。ですので、麻酔が効かない場合はそれに対応できる歯科医院に治療をお願いするなり、口腔外科という外科処置のプロフェッショナルに相談するなりした方が賢明といえます。
親知らずの周囲には重要な血管や神経も存在しているため、慎重な処置が求められます。

ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前


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