歯周病というと、高齢者がかかる歯科疾患というイメージが強くありましたが、最近では、若年者でもかかる病気であることが広く知れわたるようになってきました。そのような歯周病ですが、肥満や糖尿病との関連もあるため、歯周病とダイエットとの関係について知りたいという人も増えているようです。
そこで今回は、歯周病と肥満やダイエットとの関係について詳しく解説します。また、実はダイエットには歯磨きが大切である点もご紹介します。
肥満だと歯周病になりやすい?
歯周病とダイエットについて考えるには、まず、肥満と歯周病との関係について理解することが重要です。歯周病は、歯周病菌に感染することで発症する病気であるため、肥満とは直接的に関係はありません。ただし、太っていると、歯周病を誘発するような変化が体に現れてくることがあります。
肥満による高血圧が歯周病の原因に
肥満になると、心臓への負担が高まり、血圧も上昇する傾向にあります。つまり、高血圧ですね。実は高血圧は、歯周病のリスク因子に含まれています。
高血圧症を患っている人は、血圧を下げるために降圧剤を服用します。この降圧剤が、副作用として歯肉に腫脹を生じさせることがあるのです。病名としては「薬剤性歯肉増殖症」と呼ばれており、一般的に知られている歯周病とは少し異なりますが、歯周組織の疾患であることに間違いはありません。
肥満による炎症性物質の産生が歯周病の原因に
肥満によって内臓脂肪などが蓄えられると、炎症を引き起こす物質が産生されやすくなります。専門的には「プロスタグランジン」と呼ばれるもので、この物質が歯周組織周囲にも現れると、歯肉炎や歯周炎といった歯周病を発症させる引き金になるのです。
糖尿病が歯周病の原因に
体型的に肥満の人は、日頃からたくさんの栄養を摂取し、偏った食生活をしているため糖尿病に罹患しやすいといえます。そして、糖尿病が、立派な歯周病のリスク因子となることをご存じでしょうか。
糖尿病と歯周病には何ら関係がないように思えますが、実は両者には密接なつながりがあります。まず、糖尿病にかかると免疫力が低下するため、歯周組織では歯周病菌に感染しやすくなります。また、糖尿病では口腔内が乾燥しやすくなり歯周病菌の活性も高まってしまいます。
一方、歯周病は炎症性の疾患ですので、発症すると炎症を抑えるための物質が体から産生されるようになります。この物質は、血糖値を下げるためのインスリン機能を低下させる場合があります。つまり、糖尿病と歯周病は、相互に悪影響を及ぼし合う病気といえるのです。
歯周病予防にダイエットが有効な理由
ここまで、歯周病と肥満の関連について詳しく解説してきました。歯周病は、厳密には、肥満だけでなく高血圧や糖尿病とも深くかかわっている点もご理解いただけたことでしょう。そこからわかってくるのが、歯周病と生活習慣病全般との関連です。高血圧や糖尿病、肥満などは、メタボリックシンドロームの診断基準に含まれています。
したがって、生活習慣病を予防することは、そのまま歯周病予防にも寄与するというわけです。生活習慣病予防に有効となるダイエットは、歯周病予防にも有効であるといえるのです。では、ダイエットが、歯周病予防にも有効であるといえるのです。
では、ダイエットが、歯周病予防につながる高血圧や糖尿病、肥満などにどのように有効なのかを具体的にご説明します。
食事の栄養バランスに注意することで高血圧が改善
生活習慣病は、薬だけで完治するものではありません。一般的には、食生活や運動習慣などを改めることで、徐々に症状が改善していきます。
つまり、これは、適切なダイエットを行うことが生活習慣病に効果があることとほぼ同義であるといえるでしょう。たとえば、女性が、美容のためにダイエットを行うとすると、食事の栄養バランスにも気を使います。そして、多くの野菜を摂ったり、外食を控えたり、一日の摂取カロリーに気を使ったりすることでしょう。その結果、単に肥満が抑えられるだけでなく、塩分や脂質の摂取を控えることで高血圧の改善にもつながります。
適度な運動で肥満、高血圧、糖尿病が改善
ダイエットをする女性は、食事制限だけでなく、ウォーキングやジョギングといった適度な運動も毎日の習慣に取り入れることが多くあります。適度な運動は、美容への良い効果に加えて、肥満、高血圧、糖尿病の改善にも貢献します。
ダイエットには「歯磨き」が大切!
歯磨きがダイエットにも効果があることが、近年、注目されています。ダイエットに効果があるとは、引いては歯周病にも効果がるということです。我慢することなく、ダイエットができるとしたらうれしいことです!以下に歯磨きが、どうしてダイエットに大切なのかをまとめてみました。
歯磨きをして健康な歯でいることがダイエットにつながる
歯磨きを怠って、歯周病にかかると「力をかけて噛むことができない」「物が噛みにくい」といった噛むことへの影響が生じます。歯磨きが不十分で歯周病になってしまうと噛まなくてすむ柔らかい炭水化物のごはんやパン、麺類の摂取量が増える傾向が出てきます。
低糖質ダイエットに象徴されるように、炭水化物のとりすぎは肥満の原因のひとつです。また、噛まないことで早食いになり、満腹感が妨げられて食べすぎにつながります。健康な歯でいれば、上記のようなことは起こりません。
口腔内が不衛生だと味覚が鈍感になる
口腔内を清潔にしていないと舌苔が生じやすくなります。そして舌苔は、舌に味覚を感じさせる味蕾(みらい)の働きを妨げてしまいます。
このため、濃い味付けのものや塩分が多いものを好みやすくなる傾向になってしまうケースがあります。薄味より濃い味のもののほうが、カロリー量や体内の水分貯留量を多くします。したがって、歯磨きのほかに舌用のブラシを正しく使うことも大切です。
「食べたら磨く」で無駄食いと歯の異常を防止する
食事のあとに、必ず歯を磨く習慣をつけることで、「磨いたあとは、もう一度磨くのは面倒だからもう食べない」と無駄食いの習慣をカットすることができるようになります。こうした心理的効果を利用した歯磨き習慣で、歯周病と無駄食いを一度に防止できるのは、お得です。
東葉高速鉄道八千代中央駅から徒歩1分のハーツデンタルクリニック八千代中央駅前では、歯磨きのプロである歯科衛生士が正しい歯磨きの仕方をお教えします。また、歯磨きの習慣をつけるためのアドバイスもしています。
まとめ
このように、歯周病とダイエットは、肥満という要素で密接につながっているといえます。ダイエットをすれば、美容によ良いだけでなく、肥満や高血圧、糖尿病といった歯周病のリスク因子を除去することもできるのです。
東葉高速鉄道八千代中央駅から徒歩1分のハーツデンタルクリニック八千代中央駅前では、肥満などが歯周病のリスク因子である点を、わかりやすくご説明するだけでなく、丁寧なカウンセリングにより生活習慣を改善するお手伝いもしています。肥満などによる歯周病のリスクでお悩みの方は、ぜひ、ご相談ください。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
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