親知らずは第三大臼歯とも呼ばれ、他の永久歯と異なり、高校生くらいの年に生えてくる一番奥に生える歯です。この「高校生くらいの年に生えてくる」というのが厄介で、まっすぐ生えてくればまず問題ありませんが、斜め、横に生えてきたり、中にはきちんと生えず、先端だけ生える場合もあります。まっすぐ生えてこないと、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯、歯周病になることもあります。
また、生えかけの時に痛みを訴える人が多いのが親知らずの特徴です。ここでは、生えかけの親知らずに焦点を当てて、説明していきます。
親知らずが生えかけているときの痛み(主に歯茎)は何が原因で起きているのでしょうか?
親知らずが生えかけで痛みが生じるのはいくつかの原因があります。以下に原因別に説明します。
歯肉を噛むことによる傷
まず原因の一つとして考えられるのは、単純に親知らずが生えだしている過程で、歯肉が盛り上がり、その盛り上がった歯肉を対合する歯で噛んでいる場合があります。この場合はたいてい歯肉に傷ができており、噛むたびに痛みが出ます。
横向きに生えることによる弊害
親知らずが横向きに生えてきている場合、まっすぐ生える場合と比較し、歯垢が溜まりやすく、また取り除きにくい状態になっているため、親知らず自体が大きな虫歯となっているケースです。
この場合、歯自体の痛み、歯の根の先に膿が溜まり歯肉が腫れて痛み等が考えられます。また、横向きに親知らずが生えている場合は、親知らずが完全に生えてこないことが多いため、周囲の歯肉は不安定で腫れやすい状態になっています。そこに歯垢などの汚れが溜まると、歯肉が炎症を起こして腫れてしまいます。上記のいずれの場合でも、問題の起こっている親知らずの周囲を清潔にしておかないと、さらに症状が悪化したり、最悪の場合、親知らずの周囲の歯が虫歯になってしまいます。
痛みの症状が強く出てつらいと思いますが、毛先の柔らかい歯ブラシで磨いたり、マウスウォッシュで念入りにうがいするようにして、御自身のできる範囲で徹底的に清潔に保つように心がけましょう。
痛みの期間の目安は1~2週間
正常な方向に親知らずが生えだしている場合は、歯が頭を出し始めてから大体数ヶ月で生えが完了します。その間、前述した盛り上がった歯肉が対合する歯にはさまれて痛みが出る場合があります。
通常は、そのままにしておいて1~2週間位で痛みが治まってきますが、痛みが続く場合は、歯科で治療しないと痛みがとれない場合もあります。横向きに生えている親知らずが、自然に正常な方向に向きを変えることはなく、そのまま横向きの不完全な状態で止まるか、隣の歯を押しながら進行していくかの2つのパターンになります。
こういったケースでは歯肉が常に不安定な状態にあり、この時、痛みや腫れなどの症状が出た場合、症状は2~3日で痛みのピークを迎え、その後1~2週間で徐々に症状がおさまるという経過をたどります。歯肉が腫れてくる頻度には個人差がありますが、経験上、風邪などで体調を崩して抵抗力が下がっている時に、歯肉も一緒に腫れてくる患者様が多いように思われます。
特に冬場の寒い時期には、体調を崩される方が多いため、親知らずの周囲の歯肉が腫れて、顎を抱えて来院される患者様が増える傾向が見られます。
なかなか痛みが収まらない場合は歯科受診を
正常に生えた親知らずで単に歯肉の盛り上がりが原因の場合は、盛り上がっている歯肉をメスや歯科用レーザーで切除すると症状がおさまります。少し出血をともなう処置ですが、短時間で終わり、その後傷もすぐに治るので、患者さんの負担が少ないと言える処置です。
親知らずの生える方向の異常で、歯肉に炎症が起こっている場合には、症状が中々おさまらなかったり、痛みや腫れが強く出ることがあります。一番の早道は、原因となっている親知らずを抜歯すれば、症状は収まってきます。ただ、歯肉の炎症自体が急性化し痛みが強くでている状態では、一般歯科で行う麻酔(部分麻酔)の効きが非常に弱くなるため、通常、抜歯は炎症がおさまってくる1~2週間後に行うようにします。その間、歯科医院では、うがい薬や、痛み止め、抗生剤などを処方します。
しかしながら、炎症が急性の場合、痛みも強いことが多く、なかなか薬も効きにくいのが現状です。そのため、患者様に数日の我慢を強いることも少なくはありません。どうしても炎症がずっと続き、痛みが強まる気配が見えない場合は、主治医に相談し、口腔外科のある大きな病院を紹介してもらって下さい。病院での治療の場合、患者様は入院して、点滴を通して直接血管内に鎮痛薬を投与しますので、痛みなどの症状はかなり抑えられます。抜歯も場合によっては全身麻酔下で行いますので、部分麻酔が効かないという心配も不要になります。
まとめ
親知らずで悩んでいる患者様は多くいらっしゃいます。中には、症状が出る度に来院して、消毒と薬の処方を繰り返される患者様もおられます。お仕事が忙しくない時等に炎症や痛みの症状が出ればまだいいかもしれませんが、どうしてもお仕事を休めない時期、学生で受験等の大事の時期に症状がでたら大変です。
親知らずについては、大事な時期に炎症や痛みがでるリスクを回避するためにも、お仕事が忙しくない時期、学校を休める時期に、出来るだけ早く、問題の親知らずを処置する事をお勧め致します。
親知らずは虫歯になりやすので要注意
親知らずは、ブラッシングのケアだけでは難しく親知らず又は隣接する歯が虫歯になりやすい傾向があります。
虫歯を回避する為には、通常のブラッシングの他にタフトブラシと呼ばれるものを併用。フロスを使うなどをおこなうことがとても大切です。また、歯肉の中に歯石が溜まりすい為、マウスウォッシュなども使っていただくことをおすすめします。
口の中は人それぞれ異なる為、ケアはその方にあったことを実践していただく必要があります。歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。
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ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前


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