ホワイトニング

重曹の歯磨きの効果とリスクとは?口臭予防・虫歯予防にも効果がある?

 

重曹の歯磨きの効果とリスクとは?口臭予防・虫歯予防にも効果がある?

 

歯磨きで重曹を使うと良いという話をよく聞きます。逆に、重曹によって歯が溶けるなどという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。2つは全く逆の作用なので、混乱してしまいますね。

 

今回は、重曹は本当に歯に良いのか、あるいは溶けることはあるのか、重曹におけるホワイトニング・口臭予防・虫歯予防の効果や重曹を使うリスクについても解説します。

 

重曹が歯に良いのは本当か?

 

重曹が歯に良いのは本当か?

 

私たちの歯においては、常に脱灰と再石灰化と呼ばれる現象が起こっています。脱灰とは歯質が溶け出す現象で、再石灰化とは脱灰した歯が再生する現象です。

 

実は、重曹によって歯の再石灰化が促され、歯は修復されます。つまり、重曹は歯に良いということができます。

 

重曹で歯が修復(再石灰化)されるメカニズムは?

 

では、重曹を使ってうがいや、歯磨きなどをすると、どうして歯の再石灰化が促されるのでしょうか。それは、重曹がアルカリ性の物質だからです。

 

私たちの口腔内は、基本的に中性に保たれるようになっています。なぜなら中性であれば、歯や歯茎などの組織に悪影響が及ぶ可能性が低いからです。

 

ところが、何か飲み物や食べ物を口にすると、口腔内は酸性へと傾きます。酸性環境になると、虫歯菌が活発になるだけでなく、歯の脱灰作用も促進されてしまいます。具体的には、口腔内が酸性に傾くと、歯質に含まれるカルシウムなどの物質が溶けで出していってしまうのです。

 

そこにアルカリ性の重曹が口腔内に入ると、口腔内が酸性から中性にまで変化し、歯の脱灰を防止できると同時に、弱アルカリ性にまで変化すると、歯の再石灰化、つまり歯の修復が促進されるというわけです。

 

重曹によって歯が溶ける?

 

歯が溶ける、つまり歯の脱灰によって、虫歯が発症したり、虫歯の症状が悪化したりします。

 

さて、重曹によって脱灰が起こるのかが気になるところですが、重曹を使って歯磨きをすることで、歯の脱灰の作用が促進されることはまずありません。どうぞ安心してください。

 

重曹で歯は溶けないが削れる場合はある

 

重曹で歯は溶けないが削れる場合はある

 

重曹には歯の再石灰化を促す作用があるにもかかわらず、なぜ、歯が溶けるという正反対の現象もささやかれるようになったのでしょう。

 

その理由には、重曹の研磨作用が関係しています。

 

重曹には強い研磨作用があるため、台所のシンクや浴槽のしつこい汚れの除去などにも使用している人がいます。汚れの除去については、歯に対しても同じことがいえるため、重曹を使って歯磨きをすれば、なかなか取れない着色性の汚れもきれに除去することが可能です。

 

したがって、手軽にホワイトニングをしたい人にとっては、重曹を使った歯磨きは、かなり有効であるといえます。

 

ただし、重曹を使って台所のシンクなどを清掃した人ならわかりますが、前述のとおり重曹にはとても強い研磨作用があります。重曹を歯の表面に使えば、場合によっては歯質が削れてしまうことも十分考えられます。それを「歯が溶ける」と捉えることは、大きな間違いとはいえないでしょう。重曹は使い方を誤ると、歯の表面が傷ついたり、歯質が摩耗したりするので注意が必要です。

 

重曹はホワイトニングに効果がある?

 

重曹には高い研磨作用が期待できるため、歯を白くする効果があり、ホワイトニングの目的で使われる場合が多々あります。市販で販売されている歯磨き粉にも研磨剤が含まれており、作用は重曹よりも弱いものの、表面についた黄ばみなどの着色汚れを薄く削って落とす働きが期待できるそうです。研磨剤の入った歯磨き粉で、歯磨きをすることによってエナメル質についた汚れを落とすことができます。

 

重曹は口臭予防に効果がある?

 

お口の中が酸性になっていると臭いが発生します。たとえば、お腹が空いている時に、口臭がひどくなっていることはありませんか?それは、食後3時間ほど時間が経過すると、唾液の量が減ってしまい、口腔内が酸性になってしまうからです。重曹は弱アルカリ性のため、重曹の入った水でうがいをすることにより口腔内が酸性に傾き酸化物による臭いを中和してくれます。

 

就寝前や起床後に重曹うがいをすると、お口の中もスッキリして、口臭予防に効果的です。

 

重曹は虫歯予防に効果がある?

 

すでにご紹介したように食事をすると口腔内の環境が酸性になり、歯が溶けやすくなります。そして、アルカリ性の重曹は酸性の口腔内を中和させる働きがあるため脱灰を防止し、さらに再石灰化も促します。

 

歯が溶けやすい環境では、虫歯になる確率が高くなるので重曹は虫歯予防に有効であるといえます。

 

重曹を使うリスクは?

 

重曹によるホワイトニング効果は、諸刃の剣で、高い効果を求めすぎると歯を傷つけたり、逆に着色の原因をつくったりしますのでおすすめできません。重曹は研磨力が強いので、直接歯ブラシにのせてゴシゴシと磨いてしまうと、エナメル質が大きく削れてしまい、象牙質がむき出しになってしまいます。

 

象牙質がむき出しになると逆効果で、歯が白くなるどころか、歯が以前よりも黄色くなってしまうケースもあるそうです。

 

オーラルケアで重曹を使うと、歯の再石化が促されるというメリットを享受でき、口臭予防や虫歯予防も期待できます。また、歯垢や着色性物質を効率よく除去できるため、ホワイトニング効果もあります。ただし、使う分量や歯磨きの仕方を誤ると、歯にダメージを与えることにつながりますので十分に注意してください。

 

医療法人社団ハーツデンタルクリニック 院長(歯科医師、歯学博士)監修
永橋克史
監修者 歯科医師 永橋克史
ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前
高田耕司
監修者 歯学博士 高田耕司
日本歯科麻酔学会認定医、歯学博士。麻酔での無痛治療を得意としている。
ハーツデンタルクリニック八千代中央駅前
加瀬武士
監修者 歯学博士 加瀬武士
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前の院長。日本大学歯学部歯学科卒業。補綴学を専門分野としている。
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前


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