ネットでは歯科医院のホワイトニングで使用している薬剤と同じような成分を含む並行輸入のホワイトニング製品を購入することが可能です。そうしたホワイトニング製品の使用は、歯科医院でホワイトニングをするよりも費用が安くすむにもかかわらず効果が高く、通院する手間も省けるので、強い魅力を感じる方も少なくないことでしょう。
けれども、それはたいへんな危険をともなう可能性があることなのです。ここでは、そんなネットで購入できる並行輸入のホワイトニング製品についてわかりやすく解説します。
日本では販売が禁止されている成分を含む
一般的に、歯科医院で行われるオフィスホワイトニングには「過酸化水素」が用いられ、歯科医師の指導のもとに自宅で行うホームホワイトニングには「過酸化尿素」が用いられるケースが多いです。しかし、実は、過酸化水素や過酸化尿素などが配合されたホワイトニング剤は、日本の薬事法で販売が禁止されています。実際、薬局やドラッグストアに陳列されているホワイトニングの製品に、それらの成分は含まれていません。過酸化水素を含む製品として身近なものに傷口を消毒するオキシドールがあり、2.5~3.5%の過酸化水素が含まれています。
歯科医院のホワイトニングで使用する薬剤にはたいてい35%の過酸化水素が配合されているので、オキシドールとくらべるとなんと約10倍の濃度なのですね。作用させるのは口腔という体表よりもきわめてデリケートな部分ですから、高濃度の過酸化水素の製品は使用において危険があるため、日本では歯科医院のみで使用が許されているのです。
並行輸入製品の成分を一挙紹介!
日本で市販することが禁止されているホワイトニングの製品をなぜネットで購入できるのか。それは、個人輸入という形をとっているからです。多くのケースでは、現地調達した製品を直接、日本の購入者へ郵送する形で販売しています。
では、どんな並行輸入のホワイトニング製品がネット上で販売されているのか、その成分とともにいくつか紹介していきましょう。
「オパールエッセンス クイックPF45%」
日本では歯科医院で使用されている薬剤です。こちらの商品は過酸化水素が45%配合されており、歯科医院で行うワイトニングに用いる薬剤(過酸化水素35%)よりも高い濃度となっています。
「クレスト3Dホワイトニングキット」
ホワイトニング剤が塗布された薄いテープを歯に貼るタイプのホワイトニングキットです。過酸化水素は14%配合されています。
「ビーグレンデンタルホワイトニングジェル」
ジェルタイプのホワイトニング剤で、配合されているのは過酸化尿素16%です。過酸化水素ではないため、知覚過敏などのリスクは比較的低いほうです。
「ティオンホームプラチナ」
日本の歯科医院でも広く使用されているホームホワイトニング用の薬剤です。過酸化尿素が10%配合されています。本来であれば、使用する前に歯科医師の診断を受ける必要があります。
安易に手を出すを手痛い思いをするかも?
並行輸入で販売されているホワイトニング製品は、これまで述べてきたとおり、日本では使用が認められていないものが多く、歯やお口の中が繊細な日本人には向いていないことも珍しくありません。
過酸化水素や過酸化尿素からなるホワイトニング製品は、専門家の監督・指導のもとであればこそ安全に取り扱うことができます。単に「安い」「手軽」「通院する手間が省ける」という理由から安易に手を出さないほうが良いでしょう。
まとめ
歯の黄ばみを改善するのなら、できるだけ安く、それでいて歯科医院と同程度の効果を手に入れたいものですよね。ただし、ネットで手に入る並行輸入のホワイトニング製品には、取り扱い方を誤ると深刻な健康被害を被るものもありますので十分にご注意ください。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前
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