CAD/CAM冠(キャドキャム冠)とは何ですか?

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)とは何ですか?

  • 「保険適用の白い歯はないか?」
  • 「銀歯を白くしたいが、セラミックは高価……」

そんな方におすすめなのが、保険適用のCAD/CAM冠(キャドキャム冠)です。

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は今までのように歯科技工士が歯科技工物を製作するのではなく、コンピューターを用いてデザインし、そのデザインを基に製作する技工技術のことです。正式には「Computer Aided Design / Computer Aided Manufacture」の略称で、工業分野でも広く利用されている技術を用います。

今ままでの歯科技工物のように人間の手を介さないので短時間且つ低価格(保険適用)で白い歯を提供できるのですが、デメリットも多数あります。。 最適な選択のために、CAD/CAM冠(キャドキャム冠)の特徴やそのメリット、デメリットをみていきましょう。

 

歯科におけるCAD/CAM(キャドキャム)システム

CAD/CAMシステムとは、上述した通り工業分野で広く利用されており、近年は歯科でも応用されるようになりました。歯科医院や歯科技工所でコンピューターを利用して歯型取りを行った上で模型を作成し、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を設計します。従来法では、人の手で模型上でのワックスアップが必要でしたが、CAD/CAMシステムがあればコンピューター上で被せ物の設計が可能となり、装置の製作もミリングマシンという専用の機械で行えるので時間が大幅に削減できるようになりました。

ちなみに当法人では、CAD/CAM冠の製作をCAD/CAM冠で定評のある優れた技工所に依頼しております。

 

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)が保険適用に

かつては先進医療として保険適用外だったCAD/CAM冠(キャドキャム冠)が、現在では保険適用となりました。これは患者さんにとって大きなメリットです。保険適用により、より多くの患者さんが白い被せ物を手頃な価格で利用できるようになりました。ただし、良い点ばかりではないので詳細に説明していきます。

 

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)はどの歯にもできる?

2024年6月の改定により、ほぼ全ての歯に対してCAD/CAM冠(キャドキャム冠)が保険適用となりました。具体的には、上下の第一小臼歯・第二小臼歯・第一大臼歯、第二大臼歯(前歯から数えて4番目、5番目、6番目、7番目の歯)および、上顎・下顎の前歯(中切歯、側切歯、犬歯)に対して適用されます。

さらに、CAD/CAM技術を利用した部分的な詰め物であるCAD/CAMインレーも、2022年4月から保険診療として利用できるようになりました。これにより、部分的な修復治療においても、より精度の高い治療が保険適用で受けられるようになり、患者さんの選択肢が増えることになりました。

 

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)の保険適用範囲(2024年6月保険改訂 大臼歯7番適用)とは?

2024年6月の保険改訂により、大臼歯CAD/CAM冠(エンドクラウン)が保険適用となりました。エンドクラウンとは、従来の支台築造(歯の土台)と歯冠修復物(クラウン)が一体化した修復方法です。この技術は、特に大臼歯の治療において有効です。従来の方法では、支台築造とクラウンを別々に作成・装着する必要がありましたが、エンドクラウンではこれらが一体となるため、治療期間の短縮や強度の向上が期待できます。

また、CAD/CAM(キャドキャム)技術を使用することで、精密な修復が可能となり、患者さんの噛み合わせや審美性にも優れた結果が得られます。

 

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)のメリットは何ですか?

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)のメリットは何ですか?

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)には、次に挙げるメリットを伴います。

 

白くて自然な見た目

保険適用で治療を受けるにしても、今までは銀歯しか選択肢がなかったケースでも、CAD/CAM冠が保険適用されたことにより安価に歯を白く美しくできるようになりました。特に、笑ったときに見えてしまう奥歯の銀歯を減らすことができるため、笑顔の美しさと自信につながります。

 

金属アレルギーの心配がない

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は、銀やパラジウム等の金属を使用しないため、金属アレルギーのリスクがありません。また、金属による歯肉の黒ずみも防ぐことができ、お口全体の見た目の美しさを保つことができます。

 

保険適用で経済的

保険適用となるため、セラミックなどの自費診療に比べて安価です。従来の銀歯が約3,500円程度に対し、CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は3割負担で約6,000円前後(保険改訂等もありますので、詳細は歯科医院でご確認ください)と、比較的手頃な料金で治療が受けられます。

 

天然の歯に近い硬さ

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は天然の歯に近い硬さなので噛み合わせる歯に過度なダメージを与えにくいです。

 

治療期間の短縮

CAD/CAM(キャドキャム)技術を使用することで、従来の方法よりも治療期間を短縮できます。これにより、患者さんの通院回数が減り、忙しい方でも安心して治療を受けることができます。最新のCAD/CAM(キャドキャム)技術を導入し、患者さんに最適な治療を提供しています。

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ当院までご相談ください。

 

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)のデメリットは何ですか?

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)には、次に挙げるデメリットを伴います。治療選択される場合には、CAD/CAM冠(キャドキャム冠)の良い点ばかりに着目せずに最適な選択をされることをお勧めします。

 

磨耗のリスク

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)で使用される素材は、プラスチックなので自費治療で使用されるセラミックと比較して磨耗が生じる可能性高くなります。CAD/CAM冠の噛む部分が摩耗によって削れていくと、噛み合わせが悪くなり、咀嚼能率が低下します。その他の歯に大きな負担がかかるようになります。そのため、歯ぎしりや食いしばりが強い方には適していませ。

全く適応できないというわけではありませんが、、主治医と相談しながら治療されることをおすすめします。

 

外れやすさ

自費のセラミックや銀歯の被せ物に比べて、CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は外れやすい特徴(脱離)があります。これはCAD/CAM冠に用いられる素材の接着性が弱かったり、接着剤(セメント)との相性が悪いことが原因です。そのため適切なメンテナンスと定期的なチェックが欠かせませんので、通院時間が限られる忙しい方には、おススメできません。、

CAD/CAM冠の材料も改良を重ねることで、徐々に改善していますので、さらによくなることを期待できる素材です。

 

審美性の限界

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は、自費治療で使用するセラミックと比較すると色のバリエーションが限定的です。また、治療当初は艶がありますが、時間が経つと表面の劣化が著しくし、艶がなくなってしまうことが多いです。そのため、見た目にこだわる方にはセラミックの方が適しています。

 

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は何年くらい持ちますか?

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)はプラスチックであるため、摩耗や変色が起こりやすく、脱離するリスクも高いデメリットに加えて想定年数が4~5年程度と短いのが最大のデメリットです。長期的に良いものを選択するという視点では、ジルコニアやセラミックが第一選択なのは間違いありません。あくまでも安価に白くしたいという方に適している治療法です。

 

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)はどこの歯医者でもできるの?

当医院は保険適用で白い歯CAD/CAM冠(キャドキャム冠)の取扱医療施設ですので対応可能ですが、まだ、取り入れていない歯科医院も存在するので確認が必要です。関心のある方はお気軽に歯科医院にご相談ください。