初期の虫歯は治療しない？最小限の歯科治療介入で歯を残す虫歯治療へ

 

 

一言で虫歯といっても、軽度のものから重度のものまで病態はさまざまです。当然のことながら、軽度であればあるほど、治療も簡単になります。では、初期の虫歯は、治療をしなくてもよいのでしょうか。また、自然治癒することはあるのでしょうか。

 

今回は、初期の虫歯について、治療の必要性の有無や自然治癒の可能性、さらには、自分でもできる初期の虫歯への対処方法や歯科医院での治療方法などについても詳しく解説します。

 

初期の虫歯の特徴は？

 

 

初期の虫歯は、専門的には「初期う蝕」と呼ばれています。これは、歯の表面を覆っているエナメル質が軽度に歯の表面から脱灰（カルシウムやリンなどのミネラルが溶け始める）している状態です。探針などで触ってみても、ほとんど凹凸を感じることはないでしょう。

 

ただし、初期の虫歯は、見た目で判断することが可能で、多くのケースで白い変色が見られます。いわゆる「白斑」（はくはん）と呼ばれる病変で、これが脱灰している証拠といえます。皆さんも鏡で自分の歯を見て、白い変色が確認できたら、初期の虫歯を疑ってください。

 

初期の虫歯は治療しなくてもよい？

 

初期の虫歯では、歯の脱灰は起こっているのですが、歯のエナメル質が溶解するほど病態が悪化していないため、病気の進行を止めることが可能です。したがって、ごく初期の虫歯は、歯科医院で治療をしなくてもよい場合もあります。

 

初期の虫歯は自然治癒する？

 

実は、ごく初期の虫歯であれば、自然治癒する場合もあります。

 

歯の表面では、常に脱灰と再石灰化という現象が繰り替えされています。脱灰とは、歯質が溶ける現象で、虫歯と密接なつながりがあります。一方、再石灰化というのは脱灰した歯が再生する現象で、虫歯の進行を抑える働きをします。この2つの現象がバランス良く起こっていれば、虫歯で歯が溶けることはありません。

 

そして、ごく初期の虫歯なら、歯の再石灰化が正常に起これば歯質を元の状態に戻すこと、つまり自然治癒も可能なのです。

 

自分でできる初期の虫歯への対処方法

 

 

では、ごく初期の虫歯を進行させない、あるいは自然治癒させるために自分でできる方法には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

丁寧なブラッシング

 

脱灰の原因は歯垢にあるので、しっかりと丁寧な歯磨きを行って、歯に歯垢や歯石を付着させないようにすることが大切です。歯と歯の間の歯垢を取り除くために、デンタルフロスも併用するとよいでしょう。

＊正しい歯磨きの仕方について知りたい方には、次の記事が参考になります。

正しい歯の磨き方とは？歯ブラシの選び方や持ち方も解説

 

フッ素入りの歯磨き粉を使う

 

歯磨き粉にはフッ素入りがおすすめです。フッ素には歯の再石灰化を促す働きがあります。

＊フッ素の働きについて詳しく知りたい方には、次の記事が参考になります。

https://www.hakara.jp/whiteningnote/knowledge-of-whitening/fluorine/

 

キシリトールガムを噛む

 

キシリトールには虫歯菌の増殖を抑えるとともに、虫歯の原因となる酸をつくりにくくする働きがあります。ガムを噛むと、唾液が大量に分泌されるため、虫歯になりにくい口内環境にすることもできます。

 

＊キシリトールガムの虫歯への効果について詳しく知りたい方には、次の記事が参考になります。

キシリトールガムは虫歯予防になる？効果的な噛むタイミングは？

 

重曹水でうがいをする

 

虫歯は、口腔内が酸性の状態にある場合になりやすいとされていて、食べたあとはお口の中が酸性になります。重曹は、弱アルカリ性のため、重曹を水に溶かしてうがいすることで、食べたあとに酸性になった口腔内を中世にすることが可能です。

 

また、口腔内の酸が中和されれば歯の再石灰化を促されるため、ごく初期の虫歯の自然治癒も期待できます。

＊重曹の効果について詳しく知りたい方には、次の記事が参考になります。

https://www.hakara.jp/whiteningnote/selfwhitening/baking-soda-whitening/

 

糖質の摂取量を制限する

 

毎日の食事全般で糖質の摂取量を制限することも、初期の虫歯の自然治癒へとつながります。

 

歯科医院で行う初期の虫歯の治療方法

 

自分でもできるとはいえ、歯科医院では、より確実に初期の虫歯の進行を抑えることができます。ここでは、歯科医院での初期の虫歯の治療方法についてご紹介します。

 

フッ素塗布

 

歯科医院では、初期の虫歯治療に対して歯の表面にフッ素を塗る「フッ素塗布」と呼ばれる処置をする場合があります。フッ素にはエナメル質を強化して、脱灰しにくくする働きがあります。虫歯がない歯へのフッ素塗布は保険適用外ですが、初期虫歯の場合には保険適用になります。

 

シーラント

 

シーラントとは、虫歯になりやすい奥歯の溝をレジン（プラスチック樹脂）で、あらかじめ塞（ふさ）いでおく処置のことです。シーラントも、初期虫歯なら保険適用です。

 

PMTC

 

PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士が、専用の器具を使ってクリーニングする処置です。PMTCにも保険適用と保険適用外がありますので、PMTCを受けたい方は、東葉高速鉄道八千代中央駅から徒歩１分のハーツデンタルクリニック八千代中央駅前までお問い合わせください。

 

まとめ

 

ご説明したように、ごく初期の虫歯であれば、進行を抑えたり、自然治癒させたりすことが、ある程度は可能です。ただし、そのためには、毎日の丁寧なオーラルケアが欠かせません。

 

また、確実に削るような治療にならないようにするには、初期の虫歯であっても歯科医院にご相談することをおすすめします。初期の虫歯が見つかった方は、東葉高速鉄道八千代中央駅から徒歩１分のハーツデンタルクリニック八千代中央駅前に、ぜひ、お気軽にご相談ください。