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口腔内診査(歯科検診)
虫歯・歯周病のチェック
予防歯科において、最初に行うのが「口腔内診査」です。これは、虫歯や歯周病の有無を把握するための基本的かつ重要な検査であり、目視だけでなく歯科用ミラーや探針を使って、歯と歯の隙間や歯と歯茎の境目を丁寧に確認していきます。
歯の表面に見える小さな変色や白濁、歯茎の腫れや出血といった初期の変化は、痛みがなくてもトラブルの前兆であることがあります。早期に異変を見つけることで、痛みを感じる前に予防処置を行うことができます。歯周病に関しては「歯周組織検査」が病気の予防と早期発見において極めて重要となります。
歯周組織検査の内容
歯周病は、歯を支える骨や歯茎などの「歯周組織」が徐々に破壊される病気で、初期段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、歯周病の早期発見・予防には、歯周組織の状態を正確に把握する検査が欠かせません。
①プロービングによる歯周ポケットの測定
歯周組織検査の基本は、「プロービング」と呼ばれる方法で、専用の器具(プローブ)を用いて歯と歯茎の境目にある歯周ポケットの深さを測定します。
健康な歯茎であれば、ポケットの深さは1~3mm程度ですが、4mm以上ある場合は歯周病の兆候と考えられます。さらに、測定時に出血がある場合や、プローブの先が歯石や不規則な歯根表面に当たるような感触がある場合は、歯周病が進行している可能性が高くなります。
②動揺度の確認
歯周組織の破壊が進むと、歯を支える骨が減り、歯がグラグラ動く「動揺」が生じます。検査では、歯を軽く押すことで動揺の程度を確認し、1度(わずかな動き)から3度(明らかな動き)まで分類します。動揺度が高い歯は、噛み合わせの力によってさらに揺さぶられ、炎症が悪化するリスクがあるため、早めの対策が必要です。
③歯茎の状態(発赤・腫脹・退縮)の観察
歯周組織検査では、歯茎の色や腫れ、出血、下がり具合(歯肉退縮)といった視診も行います。健康な歯茎は薄いピンク色で引き締まっており、歯にぴったりと付着していますが、炎症がある場合は赤く腫れたり、歯ブラシで簡単に出血したりします。
歯茎が下がっている場合は、根面が露出して知覚過敏や根面う蝕(虫歯)のリスクも高まります。こうした変化はご自身では気づきにくいため、プロによる定期的な検査が非常に有効です。
噛み合わせや顎の動きの確認
予防診療では、噛み合わせのバランスや顎関節の動きも確認します。噛み合わせのずれは、虫歯や歯周病のリスクを高めるだけでなく、顎の痛みや肩こり、頭痛の原因となることもあります。また、噛み合わせが悪いことで一部の歯に過剰な力がかかり、歯が欠けたり、歯茎が下がったりするといったトラブルを引き起こすこともあるため、予防の観点からも重要なチェックポイントです。
レントゲン検査との併用
目視だけでは確認できない隠れた虫歯や歯根の異常、骨の状態を調べるために、必要に応じてレントゲン検査を行います。特に歯と歯の間や詰め物の下にできた虫歯は、レントゲンによって初めて発見されるケースも少なくありません。歯茎の内部で進行している歯周病の程度や、骨吸収の有無も確認できるため、的確な診断と予防プランの立案に役立ちます。
歯石除去(スケーリング)
歯石は、お口にさまざまなトラブルを引き起こすため、定期的に除去することが大切です。
歯石がもたらすトラブルとは?
歯垢(プラーク)は、丁寧な歯みがきである程度除去できますが、取り残されたプラークが石灰化して硬くなると「歯石」となり、通常の歯みがきでは除去できません。歯石は歯の表面に付着しやすく、特に歯と歯茎の境目にたまりやすいため、歯周病のリスクを高めます。歯石がついたまま放置すると、そこに細菌が繁殖し、歯茎の炎症や出血、さらには歯を支える骨の破壊へと進行する可能性があります。
スケーリングの重要性
歯科医院で行う「スケーリング」は、専用の器具(超音波スケーラーや手用スケーラー)を使用して、歯の表面や歯と歯茎の間に付着した歯石を丁寧に取り除く処置です。スケーリングを定期的に行うことで、歯茎の炎症を防ぎ、歯周病の予防につながります。特に、見た目では気づきにくい歯の裏側や奥歯の内側など、自分では磨きにくい箇所に付着した歯石も、プロの手によってしっかり取り除くことができます。
スケーリング後の注意点
スケーリング後は一時的に歯がしみたり、歯茎に違和感を覚えたりすることがありますが、これは歯石によって隠れていた部分が露出するためです。数日で治まることが多く、スケーリングによって清潔な口腔環境が整うことで、歯茎の健康が回復していきます。歯石の再付着を防ぐためには、日々の丁寧なブラッシングと、定期的な歯科でのメンテナンスが欠かせません。
ブラッシング指導
歯垢の染め出し検査の結果をもとに行うのが「ブラッシング指導」です。ブラッシングは毎日の基本的なケアですが、自己流の磨き方では磨き残しが多くなったり、歯茎を傷つけたりする可能性があります。
ハーツデンタルクリニック八千代中央駅前では、患者様一人ひとりのお口の状態(歯並び、噛み合わせ、歯茎の形態、使用している歯ブラシの種類など)を考慮し、個別に最適なブラッシング方法をアドバイスしています。
患者様に合わせた歯ブラシ・補助器具の提案
ブラッシング指導では、単に磨き方だけでなく、歯ブラシの毛の硬さ・形状、ヘッドの大きさ、また必要に応じてデンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具の使用方法もあわせて説明します。たとえば、歯と歯の間に虫歯ができやすい方にはフロスの使用を、歯周ポケットが深い方には歯間ブラシやタフトブラシなどの活用をおすすめします。
子どもや高齢の方にもわかりやすく
お子様の場合は、成長段階に応じて保護者の仕上げ磨きの指導を行い、楽しく歯みがきを習慣化できるようサポートします。高齢の患者様には、握力の低下や補綴装置の有無を考慮し、磨きやすい道具の提案も行っています。定期的にブラッシングの質をチェックし、正しい方法を定着させていくことが、予防の効果を最大限に引き出す鍵となります。
歯垢の染め出し検査
歯垢の染め出し検査とは、歯に付着した歯垢(プラーク)を専用の染色剤で着色し、目に見えるようにする検査です。歯垢は虫歯や歯周病の原因となる細菌のかたまりですが、通常は白くて見えにくく、歯の表面に残っていても気づかれにくい特徴があります。
染め出し検査では、歯ブラシが届いていない箇所や磨き残しやすい部位が一目で分かるため、患者様自身が口腔内の清掃状況を「見て理解する」ことができる貴重な機会となります。染色後は、鏡で確認していただきながら、歯科衛生士がどの部分に磨き残しが多いかを丁寧に説明し、歯ブラシの当て方や動かし方を改善するための指導につなげていきます。染め出された歯垢の位置や範囲は、記録として残し、定期的に比較することで、患者様ご自身のセルフケアの質がどれだけ向上しているかを把握する指標にもなります。
この検査は、小児から大人まで幅広い年代の方に有効であり、予防処置のスタート地点として非常に重要な役割を果たしています。
保険のクリーニング
健康保険でのクリーニングは、むし歯や歯周病の治療を目的として行います。
歯周病の原因の一つである歯石の除去、除去後の研磨、状態の説明・指導までがその内容となっています。保険制度上、歯石を取るためには、まず歯や歯ぐきの検査を行う必要があります。
歯石や着色の除去も通常の方法で少しずつ行いますので、1回で口の中全体をきれいにするはできません。
内容 | 費用 |
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1回あたり:30~60分、1~2回 | 2500円前後(3割負担の場合) |